社員紹介INTERVIEW

広島大学の客員研究員として大学マーケティング戦略に関する研究を推進

2014年4月入社
大学業務支援部
学術コミュニケーション支援チーム
サブリーダー
I.W.

2016年2月入社
社会連携企画部
エクステンションセンターチーム
T.Y.

仕事内容について

研究支援と社会人教育、普段は別々の業務を担当

――現在の業務内容を教えてください。

(I.W.)現在所属しているチームでは大学向けの研究支援サービスを幅広く展開していますが、私は主に産学連携に関する業務を行っています。チーム全体で15名のメンバーがおり、そのなかで産学連携に携わっているのは6名ほどです。具体的な仕事内容は、事務局として大学と企業の共同研究契約を取りまとめたり、コンサルタントとして産学連携の推進に向けた戦略検討を行ったりしています。

(T.Y.)早稲田大学エクステンションセンターというところで、いわゆる生涯学習のための講座の企画から運営までを包括的に行っています。早稲田大学エクステンションセンターは、早稲田大学を始めとする国内大学の研究者や実務家のアカデミックな知見を公開講座として広く一般の方向けに提供している機関です。現在は早稲田・八丁堀・中野の3つのキャンパスがあります(八丁堀校は2023年度まで)。チーム全体で社員は15名ほど、アルバイトスタッフは40名ほどです。

研究の経緯

通常業務と並行して客員研究員として研究がスタート

――2人は2022年4月に広島大学高等教育研究開発センターの客員研究員となっていますが、どういった経緯だったのでしょうか。

(T.Y.)同センターが創立50周年を迎えるにあたって中期目標を再編し、社会的な連携を強めていくという大学からの要請に基づき、その取り組みの一つとして当社にお声がけをいただいたことがきっかけです。

(I.W.)当社も経営方針として国内大学とのネットワーク構築を推進しているため、本件を新規プロジェクトとして位置づけ、数名の候補者の中から社内検討の結果、私たち2名が選出されました。

研究内容

選ばれたからには会社に貢献できる成果を出す

――どういった研究を行ったのですか。

(I.W.)まずは研究テーマを決めることから始めました。研究の軸となる考え方として、会社に貢献できる成果を出したいというのが二人の共通認識でしたので、当社サービスのニーズがどういった大学にあるのかを明らかにするため、研究目標を「当社サービス領域に資する指標を設定し、顧客となり得る大学の特徴を分析する」と定めました。

(T.Y.)当社は早稲田大学のグループ会社ですが、お客様は早稲田大学に留まりません。ただ、これまでは他大学へのアプローチ方法は、営業担当のネットワークや経験といった属人的な力に頼ってきました。

そこで、データを活用し組織としての大学マーケティング戦略の基礎となる「ものさし」を作りたいということになったのです。以前から仕事でもお世話になっていた、広島大学高等教育研究開発センター副センター長である村澤昌崇教授に指導教員をお願いし、ディスカッションを重ねながら研究を進めていきました。

(I.W.)当社では重点サービス領域を設定していますが、そのうち本研究では「人材育成・研究推進・国際交流・IT推進」の4つに焦点を当てました。私は研究推進とIT推進を、彼女は人材育成と国際交流をそれぞれ担当し、各サービス領域に適した指標と指標を基にした各大学の特徴を分析しました。

(T.Y.)まずは村澤先生に研究進捗を確認いただく日を決め、そこに向けて二人でいつまでに何をするのかスケジューリングします。打ち合わせ日までにそれぞれが手を動かし、打ち合わせで議論して修正し、村澤先生とのディスカッションを反映させてまた研究し……というのを数度繰り返して研究内容を詰めていったという流れです。月に数回は打ち合わせを行っていましたよね?

(I.W.)そうですね。二人それぞれ働く場所が違うので、打ち合わせは全てオンラインで時間を合わせて行いました。

苦労したこと

2人だったからこそ成し遂げられた

――研究を行うなかで苦労したことはありましたか。

(T.Y.)私は自身が研究を行うということ自体に馴染みがなかったので、その点は苦労しました。分析方法やデータの扱い方などを彼に聞きながら進めていったので、1人では絶対に成し遂げられなかったと思います。また分析の際は、これまでの業務経験で培った大学に関する知見を持ち寄って議論しました。そうすることでお互い刺激を受け合い、より深い考察につなげることができました。

(I.W.)私の場合は、もともと大学院で生命科学の研究を行っていたので、データを収集して分析するプロセスについてはあまり抵抗を感じていませんでした。ただ、今回は指標設定にあたり各大学の財務データを分析する必要があったので、学校法人会計制度などを調べながら進めなければならず、その点は時間を要したと思います。

今後の展望

データ活用を社内文化として定着させることが重要

――研究の成果と今後の展望について教えてください。

(I.W.)当社独自の指標を生み出して各大学の特徴が分析できただけでなく、各サービス領域の担当者とも意見交換を行い、指標の妥当性や各大学へのアプローチ方法を議論することができました。今回設定した指標をもとにどういったマーケティング戦略をとっていくかが、これからの課題です。

(T.Y.)上記の話に加えて、今回の研究が今後も社内に浸透するように働きかけることが必要だと感じます。データを活用した戦略立案に興味を示している社員もいるので、そうした社員を中心に活動が広がっていくことを願っています。

読者に伝えたいこと

客員研究員となったことで新たな視点を得られた

――今回の経験を通して感じたことや、読者に伝えたいことがありますか。

(T.Y.)指導教員の村澤先生とディスカッションパートナーとなれたことが、通常業務では経験できないことでした。

(I.W.)そのとおりで、通常業務との一番の違いは先生との関係性だったと思います。当社では先生方の研究を支援することが多いのですが、今回は村澤先生に学術的なアドバイスをいただきながらも私たちが主体となって研究を進められたことが大きかったです。

(T.Y.)何よりも、村澤先生が広い心で私たちを受け止めてくださったおかげです。また、会社からも、研究テーマの設定から研究方針、成果報告まで私たちに一任してもらえたというのも大きなことでした。自分たちで考えて行動できたことで、受け身にならず積極的に研究に向き合えたと思います。

(I.W.)今後はこの研究成果を活用し、シンクタンクとして当社が有するノウハウを日本全国の大学に還元できるように働きかけていきたいと思います。早稲田大学は全国の大学の中でも先進的な取り組みをしている大学です。早稲田大学と共に私たちもさまざまな経験を積んできましたので、その知見は必ず各大学のお役に立てると自負しています。

(T.Y.)広く日本中の大学に価値提供ができるのが当社の強みなので、今回の研究成果を用いて全国の大学にアプローチし、最適なサービスを提供できれば幸いです。また、そうした事業に興味がある方と一緒に働ければ嬉しく思います。

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